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2007年8月31日 (金)

『栄光の日本の蒸気機関車』、同著者の以前の書籍から抄録多数

月刊誌『鉄道ピクトリアル』の710月号(通巻794号)の書評欄で和久田康雄氏が、久保田博・広田尚敬・片野正巳著『栄光の日本の蒸気機関車』(2007年6月、JTBパブリッシング刊)についてコメントされています。出典や引用のやり方にやや不備があるのではと、指摘されています。

私はこの本の直前に同じ著者による、『追憶の蒸気機関車』(2002年9月、グランプリ出版刊)を読んでいました。著者の久保田氏が主として国鉄在職時代に経験された、各形式の蒸気機関車の思い出が記されており、楽しく読んでおりました。
そして、『栄光の日本の蒸気機関車』にも各機関車にまつわる思い出が掲載されていたのですが、これがほとんど『追憶の蒸気機関車』からの書き写しで、がっかりしました。このような場合 普通は、読者に申し訳ないと、あとがきやまえがきでコメントがあります。

あとがきで広田氏は、『栄光の〜』の出版は久保田氏が亡くなる直前の企画で、2007年1月になって広田氏はこの本の企画に関わったと述べられています。また久保田氏は、この『栄光の〜』の出版を見ることなく亡くなったとも記されています。
久保田氏ご本人がこの本の内容をどこまでご存知だったか不明ではありますが、モラルの面で少々 残念に思いました。

『栄光の〜』に記された各形式への評価は、国鉄部内や、久保田氏ご本人の主観が多分に含まれているかも知れませんが、それはそれで興味深く、書籍として残ったこと自体は良いことです。
ただ和久田氏が書評でご紹介されたエピソードのような客観的な評価がある、斉藤晃氏の一連の著作などがあって初めて、その価値が活きてくるのだと思います。

  • 久保田博・広田尚敬・片野正巳著『栄光の日本の蒸気機関車』(2007年6月、JTBパブリッシング刊) ISBN:978-4-533-06747-1
  • 久保田博著『追憶の蒸気機関車』(2002年9月、グランプリ出版刊) ISBN: 4-87687-237-6

懐に余裕があったり写真に興味がある方は『栄光の〜』(広田氏の迫力ある作品多数、本体6000円)、技術面に興味がある方は『追憶の〜』(性能曲線や表が多いし安い(本体1800円))がお奨め、でしょうか?


(2007年9月2日19時30分追記)
『追憶の〜』に掲載されていない、私鉄や森林鉄道の蒸気機関車が『栄光の〜』には掲載されています。
また一般的に、客観的が正しくて主観的は間違い、なわけですが、なぜ間違ったのか、が問題なわけです。間違うには間違うなりの理由があったのかもしれません。そこが面白い。主観の張本人は国鉄様ですから。

(2007年9月2日23時30分追記)
蒸気機関車を製造し使用する国鉄自体の主観だから面白い、という意味です。国鉄なぞは独占大資本家の手先で、その国鉄の主観だから面白い、というわけではありませんので、念のため。

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