2007年11月22日 (木)

鉄道ピクトリアルの「民主党 副代表 衆議院議員 前原誠司氏が語る~」で思ったこと

『鉄道ピクトリアル』誌の2008年1月号(通巻798号)に「民主党 副代表 衆議院議員 前原誠司氏が語る"青春, 鉄道, 政治"」が掲載されていました。前原氏と、宇都宮 浄人氏、鉄道ピクトリアル編集長・今津氏のお三方の対談です。

政治家はある意味、人気商売。マスメディアが特定の政治家をこのように扱うことに、私はそもそも反対です。
鉄道好きのおしゃべり、としてだけ見れば、それなりに楽しい記事でした。

鉄道が大好きな政治家ですから、JR不採用問題を解決していただけるかな、と、皮肉交じりに、希望を書かせていただきます。
国鉄の分割・民営化に反対しJRへ採用されなかった方々(主に国労所属)について、不当労働行為を中央労働委員会は認定しています(不採用問題)が、JRは自らの法的責任を否定し裁判となっています。すでに20年が経っていますが、いまだ解決の目処は立っていないようです(解決とは、しかるべき立場の方が、不当労働行為の被害者に謝罪するということですので、悪しからず)。

とまあ、書かせていただきましたが、JRの労働組合の多くがこの問題を「問題」と認めていません。国鉄の分割・民営化は仕方がなかったことで、それに反対するとは時代遅れの石頭、といった感じ。
JR連合(会社よりの労働組合の上部団体)の京都支部長と親しい前原氏も、同じかもしれません。

中央労働委員会は国鉄の不当労働行為を認定しています。
第三者が組合差別と認めているのですから、被害者は、鉄道員としてそれなりのスキルを持った方だったと思います。
そもそも、国鉄の分割・民営化を受け入れ軟化し、JRに採用された方々は、時流に乗る人たちと言えます。
労働運動が激しかった時代の時流に乗り、労働運動を勘違いし横柄な接客をしていた人たちが国鉄のイメージを低下させ、その結果 生じた分割・民営化の時流に乗って、同じ人たちが軟化しただけ、かもしれません。実際は、色々な方がいたことと思いますが。
とは言え、真剣に労働運動を考え、仕事に励んでいた人たちは自らが変わる必要はありません。結果的に、「石頭」であり「時代遅れ」に見えてしまった、のかもしれません。
無節操に時流に従うだけの職員を採用したあげくが、主流の労働組合に過激派が浸透していると週刊誌に書かれ警察が捜査に入ったJR東日本や、「日勤教育」で精神論に入れ揚げ大事故を起こしたJR西日本なのでしょうか。

国鉄の分割・民営化で、一見 鉄道は元気になりました。
しかし国鉄がためた長期債務の返済はマダマダです。分割・民営化当時は予定になかった、喫煙者からのご援助で少しはマシになったでしょうか。

分割・民営化当時に総理大臣を務めていた自民党の中曽根康弘氏は、総評・社会党の弱体化が分割・民営化の目的だったと、そこかしこで発言しています。
総評・社会党が正義だったとは思いませんが、だからと言って、不採用問題の被害者が総評・社会党の代表だったわけではありません。国家権力が、「敵」の下っ端をいじめて恥ずかしくないのか、と思う次第です。

鉄道を愛する政治家なのですから、このような政治の横暴に怒り、真に素晴らしい鉄道の実現に御尽力いただきたいと思います。
「倫理観の高い」鉄道ファンとしての前原氏のご活躍を楽しみにしております。

追伸
倫理観が高いのだから、地位を利用して趣味活動を行わないでね!

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2007年10月22日 (月)

政治家がこれで良いのであろうか、民主党・前原氏

月刊誌『レイル・マガジン』の編集長殿のブログ「編集長敬白」の2007年10月21日は「前原さんと「門デフ」C57を撮りにゆく。(上)」でした。
"20日の土曜日であれば何とかスケジュール調整がつきそうなのでご一緒いただけませんか"というメールが編集長に届いたので、編集部がエスコートしての撮影行となったそうです。
こんな図々しいお願いをするとは、よっぽどの人なのだろうけれど、一体 誰だろう、この前原誠司さんて、と思いながら読み進めたら、民主党の前・代表でした。
政治家がこれで、良いのでしょうか?
また、編集長がこれで良いのでしょうか?

人におんぶしてもらってまでして自分で撮影しようなどと考えず、編集長の傑作をプリントして是非 一枚譲ってください、というお願いならば好感を持てます。

わざわざブログで紹介するとは、編集長による腹背面従面従腹背の深慮遠謀でしょうか? でも編集長、そんな姑息なことをする前に、まずはガツンと、本人に言うべきですよ。

なお私は、民主党幹事長代表を辞任するに至った経緯から前原誠司氏の政治家としての資質に疑問を持っています。人を見る目がない。
また、テレビで見た感じあまり好きではありませんし、タカ派的言動からも好ましく思っていません。

いずれにしても前原さん、一般庶民は、鉄道雑誌の編集長に、自分の撮影行のアレンジを頼んだりはしないのです、どんなに忙しくとも。
親しい友人ならば別ですけれど、ブログを読むと、友人と言うよりはお客様。
また、政治家はこういうことを慎むのが普通だと私は思います。

(「  部分」を2007年10月23日21時修正)
業者と癒着していた守屋・前防衛事務次官のニュースを聞きながら。

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2007年8月31日 (金)

『栄光の日本の蒸気機関車』、同著者の以前の書籍から抄録多数

月刊誌『鉄道ピクトリアル』の710月号(通巻794号)の書評欄で和久田康雄氏が、久保田博・広田尚敬・片野正巳著『栄光の日本の蒸気機関車』(2007年6月、JTBパブリッシング刊)についてコメントされています。出典や引用のやり方にやや不備があるのではと、指摘されています。

私はこの本の直前に同じ著者による、『追憶の蒸気機関車』(2002年9月、グランプリ出版刊)を読んでいました。著者の久保田氏が主として国鉄在職時代に経験された、各形式の蒸気機関車の思い出が記されており、楽しく読んでおりました。
そして、『栄光の日本の蒸気機関車』にも各機関車にまつわる思い出が掲載されていたのですが、これがほとんど『追憶の蒸気機関車』からの書き写しで、がっかりしました。このような場合 普通は、読者に申し訳ないと、あとがきやまえがきでコメントがあります。

あとがきで広田氏は、『栄光の〜』の出版は久保田氏が亡くなる直前の企画で、2007年1月になって広田氏はこの本の企画に関わったと述べられています。また久保田氏は、この『栄光の〜』の出版を見ることなく亡くなったとも記されています。
久保田氏ご本人がこの本の内容をどこまでご存知だったか不明ではありますが、モラルの面で少々 残念に思いました。

『栄光の〜』に記された各形式への評価は、国鉄部内や、久保田氏ご本人の主観が多分に含まれているかも知れませんが、それはそれで興味深く、書籍として残ったこと自体は良いことです。
ただ和久田氏が書評でご紹介されたエピソードのような客観的な評価がある、斉藤晃氏の一連の著作などがあって初めて、その価値が活きてくるのだと思います。

  • 久保田博・広田尚敬・片野正巳著『栄光の日本の蒸気機関車』(2007年6月、JTBパブリッシング刊) ISBN:978-4-533-06747-1
  • 久保田博著『追憶の蒸気機関車』(2002年9月、グランプリ出版刊) ISBN: 4-87687-237-6

懐に余裕があったり写真に興味がある方は『栄光の〜』(広田氏の迫力ある作品多数、本体6000円)、技術面に興味がある方は『追憶の〜』(性能曲線や表が多いし安い(本体1800円))がお奨め、でしょうか?


(2007年9月2日19時30分追記)
『追憶の〜』に掲載されていない、私鉄や森林鉄道の蒸気機関車が『栄光の〜』には掲載されています。
また一般的に、客観的が正しくて主観的は間違い、なわけですが、なぜ間違ったのか、が問題なわけです。間違うには間違うなりの理由があったのかもしれません。そこが面白い。主観の張本人は国鉄様ですから。

(2007年9月2日23時30分追記)
蒸気機関車を製造し使用する国鉄自体の主観だから面白い、という意味です。国鉄なぞは独占大資本家の手先で、その国鉄の主観だから面白い、というわけではありませんので、念のため。

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2007年8月12日 (日)

『線路にバスを走らせろ』、面白かったです

畑川 剛毅著『線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記』(2007年7月、朝日新聞社刊)を読みました。
JR北海道のDMVはバスを改造して線路も走れようにしただけ、と見ていましたが、なかなかどうして、その苦労は並大抵でないことがよく分かりました。担当者は、振り子ディーゼル特急車の開発にも携わっていたそうで、その裏話も紹介されており、とても面白い新書でした。

この新書を読んでDMVについて感じたことを、箇条書きにしました。

  • 現在の定員(試験営業で12人)は小さすぎる。
  • DMVを導入するときはインフラの関係から、従来の鉄道車両による運転を止めることが前提とは、少々 残念。軸重が軽いので、従来の軌道短絡による車両検知が難しいそうです。
  • 鉄軌道上を高速で走るのでなければ、DMVの意味は小さい。
  • 車両をわざわざデュアル・モードにするのだから、鉄道を走るメリットが欲しい。鉄道の長所を活かせなければ、そのうち廃れるのでは?
  • 鉄道ファンとして、レールが活きて残ることを望む。
  • DMVを普及させるためには、マイクロバスのメーカーさんの協力が不可欠。

並行道路がない超閑散線区ならば、今でも、導入可能かもしれません。
しかし、地域の公共交通機関として本格的に導入するためには、課題はまだまだ多いと思います、各方面から関心を持たれていますので、JR北海道が周囲を巻き込み開発に今後も力を注げば、課題の解決は可能でしょう。期待しております。

なお本記事のカテゴリーを地方民鉄とし、JR北海道は入れませんでした。今後もJR北海道に関する記事はとても少ないであろうこと、DMVは地方民鉄にも大いに関係するであろうこと、が理由です。

< 畑川 剛毅著『線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記』、2007年7月、朝日新聞社刊、724円 ISBN:978-4-02-273156-2 >

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2007年3月30日 (金)

『「SL甲組」の肖像(1)』の感想

"元常務員の人びとの証言を元にした鉄道再発見の試み"と冒頭にある、乗務員OBの証言を元にしたノンフィクションです。
列車の運行状況を、情景を想像できるようなイメージ豊かな言葉で表現しているのですが、いつの運転状況なのか明記されていません。「5分遅れ」とか、機関車の番号とか、やたら具体的な記述があるにもかかわらず、何年何月何日のお話なのかが全く不明。証言を元に、もっとも象徴的な情景を作者が創作しているようなのです。

写真や図版が豊富で2800円という定価は、ぼったくりとは思いません。OBの方々のお話もそこかしこにちりばめられています。作者による、心を揺さぶるような運転ドキュメントがなければもっと素晴らしい書籍になったと思います。
心を揺さぶられてしまった、乗せられやすい男の感想でした。

椎橋 俊之著、『「SL甲組」の肖像(1)』、ネコ・パブリッシング刊、2007年(ISBN:978-4-7770-0427-0)

(追伸)
"元常務員の人びとの証言を元にした鉄道再発見の試み"と書いた人へ。あなたはこれまで鉄道をどのように見ていたのか、このエントリーにコメントしてくださってもOKですよ。


2007年3月31日18時45分に冗長な部分を削除など、一部 修正しました。

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