西武新宿線のお召し列車
国賓として来日したスウェーデンのカール16世グスタフ国王夫妻と日本の天皇夫妻が2007年3月28日、西武新宿線で川越を訪問しました。往復には特急車NRAの10108Fが用いられました。床下機器もきれいに塗装されピカピカでした。
往路は、東村山~所沢の踏み切りで撮影。時速40kmほどでしょうか、非常にゆっくりと走行していました。10時22分ころ通過。
復路は、所沢駅で撮影。1番ホーム(新宿線上り)で待っていたところ、2821レ(西武新宿 15時32分発・急行 新所沢ゆき)の停車中の16時8分にお召し列車は通過して行きました。往路より速く、時速60kmほどだったかもしれません。
お召し列車では、西武鉄道の制服・作業衣を来た方々が乗った車両や、報道関係者(となんとなく思った)が乗っている車両、を確認したのですが、「ご乗客4名」のお姿は確認できませんでした。日の丸の小旗を振る人々の姿もなく、本当は「乗客」はいなかったのではないかと思ったりもしましたが、...。
お召し列車の2~3分前に通過していった先導列車(露払い列車)は10106Fでした。カーテンがすべて閉められていました。
前面の愛称表示は、先導列車・お召し列車ともに「臨時」でした。
列車に両国の国旗や菊の紋章があるでなし、ギャラリーもおらず(警察官に尋ねたら警備の都合上 自粛してもらったと話していました)、華やかさに欠けるお召し列車でした。鉄道ファンのために旅行したわけではないのだから、それはそれで問題ありませんが。
復路の所沢駅にそれと分かる警官の姿は、私は見つけられませんでした。パリッと糊のきいた「警戒」の腕章をつけた駅員さんは多かったです。いつもは「警備」だったと思い尋ねたら、以前から「警戒」とのお話でした。
専用列車を走らせて旅行するなど、今回の川越訪問で天皇は周囲に多大な心配をかけ、余計な業務を増やしたのだから、鉄道ファンへも配慮しお召し列車に特別な装飾をすべきとお考えの、極少数のご意見が存在するかもしれません。
しかし、天皇位に就いている方は、生誕前に、オレは絶対に天皇になってやるぞ、と悪くどい手を使って皇太子として産まれたわけではありません。産まれたら、皇太子だったわけです。天皇になりたかったわけではないのです。我々 日本国民が、そもそもの原因なのです。
彼だって人間です。神様ではないのです。専用列車を飾り立てる義務はないのです。静かに旅行をする権利はあるのです。道中 居眠りしていたからと言って批難するのは、人間として誤りなのです(道中、天皇が居眠りしていたという事実はたぶんありません、悪しからず)。
(追伸)
私も生誕前に特に悪くどい手は使った覚えはないのですが、産まれてきたら日本人でした。その日本という国には天皇制がありました。憲法9条もありました。
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