『「SL甲組」の肖像(1)』の感想
"元常務員の人びとの証言を元にした鉄道再発見の試み"と冒頭にある、乗務員OBの証言を元にしたノンフィクションです。
列車の運行状況を、情景を想像できるようなイメージ豊かな言葉で表現しているのですが、いつの運転状況なのか明記されていません。「5分遅れ」とか、機関車の番号とか、やたら具体的な記述があるにもかかわらず、何年何月何日のお話なのかが全く不明。証言を元に、もっとも象徴的な情景を作者が創作しているようなのです。
写真や図版が豊富で2800円という定価は、ぼったくりとは思いません。OBの方々のお話もそこかしこにちりばめられています。作者による、心を揺さぶるような運転ドキュメントがなければもっと素晴らしい書籍になったと思います。
心を揺さぶられてしまった、乗せられやすい男の感想でした。
椎橋 俊之著、『「SL甲組」の肖像(1)』、ネコ・パブリッシング刊、2007年(ISBN:978-4-7770-0427-0)
(追伸)
"元常務員の人びとの証言を元にした鉄道再発見の試み"と書いた人へ。あなたはこれまで鉄道をどのように見ていたのか、このエントリーにコメントしてくださってもOKですよ。
2007年3月31日18時45分に冗長な部分を削除など、一部 修正しました。
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