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2007年6月11日 (月)

西武101系から機器をただ流用したわけではない10000系

西武鉄道が1993年から導入している特急車10000系は、駆動系の装置(制御装置・主抵抗器・主電動機・台車)を101系の廃車から流用しているそうです。しかし主抵抗器と制御装置の配置が101系とは逆となっています。池袋線を基準に考えると、10000系は主抵抗器が山側にありますが、101系は海側です。











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写真1,10000系 写真2,101系(301系)

上の写真1・写真2は編成を共に山側から撮影しています。前から2両目がM1車で制御装置を床下に搭載しています。10000系は主抵抗器が並んでいるだけですが、101系の方は色々な箱がにぎやかに並んでいます。

また101系の主抵抗器はずらりと並んでいるようであっても、幅の狭いものが間にあったり、ちょっと上下がそろっていませんし、一部は反対側にもあります。一方10000系は、幅の狭いものは端によっていて101系よりすっきりとした印象を受けますし、反対側に飛んでいる抵抗器はありません。











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写真3,9000系 写真4,101系(N101系)

10000系と同様に101系から駆動系の機器を流用した9000系の機器配置も、10000系と類似していました。抵抗制御で残る編成は9108Fだけとなりましたが。

抵抗器を一方にそろえた方が保守はやりやすそうです。それならば、101系と同様に海側に抵抗器を集めてしまう方が合理的、とも思われます。9000系や10000系で、わざわざ101系とは反対側に集めた理由は何でしょうか? 9000系・10000系ともに新宿専用として登場したことは関係するでしょうか?

また101系の場合、主制御装置を持つM1車・M3車だけにパンタグラフが設置されていましたが、10000系では主制御装置を持たないM4車にもパンタグラフが設置されています。10000系は母線を編成全体に引き通しているのでM4車にパンタグラフなしでも良いはずです。パンタグラフを減らし始めた当初に登場した系式のため、念のためM4車にもパンタグラフを搭載したのでしょうか。電動車が4両の8両編成の101系の場合 パンタグラフは4台ですが、同じく電動車が4両の10000系(7両編成)のパンタグラフは3台だけです。

同様に抵抗制御時代の9000系も、主制御装置がないM4車にパンタグラフを搭載していました。とは言え、10両編成の101系の場合は6台のパンタグラフが、9000系では4台だけでした。どちらも電動車の数は6両です。



写真データ

・写真1: 2007年6月10日、仏子、10103F、下りの「電車フェスタ号」

・写真2: 2007年6月11日、仏子、1301F、5105レ

・写真3: 2007年5月13日、所沢、モハ9803 山側

・写真4: 2007年6月10日、仏子、モハ237 海側


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コメント

(コメントしようと思いつつ、3ヶ月もたってしまいました。)
主抵抗器の箱の数ですが、101系は16個で、5000系は13個(並び)です。101系の前期車は片側に9個並びと3個並び、反対側に4個並びの配置です。(ちなみに抵抗器箱に白地で記述のあるものは限流抵抗器や弱メ界磁抵抗器です。)101Nの2連は13個(片側に7+6),301に到っては、幅の異なる2種類の箱の組み合わせで、片側が”大大小小大大大”と”大大小小”、反対側に”小小”が見られます。101系の主抵抗器の箱の数が5000系よりなぜ多いのか、昔(登場時)から不思議に思っていましたが、尋ね損ねました。ここで面白いのは、4000系は101系と同じ16個、10000系は5000系と同じ13個です(確か)。 問題は、箱の中の抵抗の数ですが、101系は通勤車で抵抗制御段や電気制動を特急より頻繁に使うから熱容量を考慮して抵抗器を分散した(または、抵抗器を多くした?)のでしょうか。
9000系はどうなっている(いた)のでしょうか。
[101系の床下機器に関しての参考文献:とれいん2005年1月号]

投稿: E52 | 2007年9月17日 (月) 15時31分

上の写真では、9000系は16個がずらっと並んでいますね。

投稿: E52 | 2007年9月17日 (月) 15時35分

E52さん、こんばんは。

コメントを読んで感じましたが、特急車と通勤車では定員が違いますので主回路のパラメータ(抵抗値)が異なるのかもしれませんね。

100人分6トンが6両として36トン、6両編成の車両重量が大雑把に200トンとすると、約2割です。

通勤車の方で流れる電流を、各ノッチで微妙に特急車より大きくしたいので、並列接続の抵抗器を増やしているのでしょうか。そこまでするならノッチ進段の限流値も変えてやりたいですが。

もし電流を増やすためだとしても、抵抗器間の配線を変えねばならないでしょうし、メンテは面倒くさそうですね。制御装置が共通だからまだマシ、なのでしょうが。

コメント、ありがとうございました。

投稿: 鈴木やす | 2007年9月17日 (月) 21時43分

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