『線路にバスを走らせろ』、面白かったです
畑川 剛毅著『線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記』(2007年7月、朝日新聞社刊)を読みました。
JR北海道のDMVはバスを改造して線路も走れようにしただけ、と見ていましたが、なかなかどうして、その苦労は並大抵でないことがよく分かりました。担当者は、振り子ディーゼル特急車の開発にも携わっていたそうで、その裏話も紹介されており、とても面白い新書でした。
この新書を読んでDMVについて感じたことを、箇条書きにしました。
- 現在の定員(試験営業で12人)は小さすぎる。
- DMVを導入するときはインフラの関係から、従来の鉄道車両による運転を止めることが前提とは、少々 残念。軸重が軽いので、従来の軌道短絡による車両検知が難しいそうです。
- 鉄軌道上を高速で走るのでなければ、DMVの意味は小さい。
- 車両をわざわざデュアル・モードにするのだから、鉄道を走るメリットが欲しい。鉄道の長所を活かせなければ、そのうち廃れるのでは?
- 鉄道ファンとして、レールが活きて残ることを望む。
- DMVを普及させるためには、マイクロバスのメーカーさんの協力が不可欠。
並行道路がない超閑散線区ならば、今でも、導入可能かもしれません。
しかし、地域の公共交通機関として本格的に導入するためには、課題はまだまだ多いと思います、各方面から関心を持たれていますので、JR北海道が周囲を巻き込み開発に今後も力を注げば、課題の解決は可能でしょう。期待しております。
なお本記事のカテゴリーを地方民鉄とし、JR北海道は入れませんでした。今後もJR北海道に関する記事はとても少ないであろうこと、DMVは地方民鉄にも大いに関係するであろうこと、が理由です。
< 畑川 剛毅著『線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記』、2007年7月、朝日新聞社刊、724円 ISBN:978-4-02-273156-2 >
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