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2009年12月 7日 (月)

尼崎事故でJR西日本の歴代社長に責任なし? 捜査機関はあなたですよ、地検さん

2005年4月のJR福知山線列車脱線事故について、神戸地方検察庁は2009年12月4日、JR西日本の歴代の社長3名を嫌疑不十分で不起訴としました。

業務上過失致死死傷罪で神戸第一検察審査会は起訴相当としたため、神戸地検は1ヶ月半かけて再捜査し、3名からも事情を聴いた結果、とのことです。

4日の発表で会見した山根 英嗣・次席検事は「歴代社長3人に法廷で話してほしいという遺族らの気持ちはわかる。だが、検察は『起訴=有罪』という意気込みで処分を決め、信頼を得てきた」と話したそうです。朝日新聞(12月5日・朝刊)によると、具体的な証拠がないと刑事責任は問えない、との判断なようです。

不起訴と読んで怒りを感じていた私も、検事さんにそう言われると、そうなのか、検事さんも色々 大変なんだな、と思ったりしてしまいます。

乗務員は色々と手当がある、事故を起こした若い運転士は、運転業務から外され手当が減るのを嫌って事故直前のミスを気にしていた、という報道もありました。

JR西日本では、乗務員でなければ人でない、というほど駅員さんなどの待遇が悪いのかな、と思ったりもしました。

事故列車の車掌は40歳台だったと思います。中堅のはずです。ミス連発の後輩を適切に指導することはできませんでした。

二人が所属する労働組合が異なっていたようでもあります。映画『沈まぬ太陽』で日航が話題になりましたが、労組の内ゲバ騒ぎのあった国鉄、その後進のJRがこの面で負けているとはとても思えません。

日勤教育もありました。

そのような訳ですので、「具体的な証拠」を遺族に要求したりせず、自分たちで見つけなさいね、と私は山根 英嗣氏に教え諭(さと)してあげたい、と思い直した次第です。

あれだけの大事故を起こした企業の社長に責任がないならば、社長のお仕事は何でしょうか?

また1996年12月の函館線脱線事故の原因が制限速度を超過して急カーブを通過しようとしたこと、と社長が知り得なかったことも不起訴の理由となっています。以前も書きましたが、おかしな話です。

それから、事故の遺族は話を聞きたいだけではなくて、3名に罪を償ってほしいのだと私は思います。

今回不起訴となった3名は次の通りです。



井手 正敬(まさたか)氏

事故現場のカーブを急カーブに変更する工事の時の社長。

南谷 昌二郎氏

井出氏の後任の社長。

垣内 剛(たけし)氏

事故当時の社長。


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コメント

社会派的な記事、楽しく読んでます。
ついでに、昔の西武のいろいろなことも取り上げていただけませんか? 

投稿: JRは国鉄に戻そう | 2009年12月 7日 (月) 22時20分

確かに遺族にとってはふがいない結果です。なんせ、被害者の数が半端じゃないのですから。しかし、現在の法律上、私は検察の判断はやむを得なかったと思います。
確かに、日勤教育は物議を呼びました。しかし、あくまで事故を起こしたのは運転手であって、彼ら3人ではありません。では、彼らはこの事件を予見できたか? 恐らく人間では無理でしょう。極端な話、レンタカー会社が客に車を貸し、その客が事故を起こして被害者を死なせてしまった場合、レンタカー会社は責任を負うでしょうか? 今回の場合、雇い主と従業員という関係上、上司が責任を負うことになりますが、だいたいは辞任のみ。それ以外は、予見できなかった以上、上記の事例と同じことになります。
今回の問題は難しいです。起訴されたとしても、無罪になる可能性が他の裁判と比べて高いと思います。それだけに、この問題は時間をかけて解決していくべきです。
なお、情報漏洩に関しては、私も何かしら処分を課すべきだと。

投稿: みどりす | 2009年12月 8日 (火) 07時36分

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