※ 民主主義と国家への洞察、MZさんはその役職にふさわしくないと思うけど
こんにちは。比較的 長文の論文?を、一つ。
虎の威を借りる人はダメですよね?
学歴や勤め先、付き合っている異性、ある程度ご本人の実力を反映していますから、自慢しても、度が過ぎなければ、羨ましがられたりしても良いと思いますが、親の学歴や職業・資産を自慢するとどうでしょうか。
ご本人が立派ならば問題なくとも、ご本人がダメだと、さらにバカにされるだけです。詐欺師さんに格好のカモとなるかもしれません(親がこんなに財産持ってると触れて回ったら詐欺師さんはターゲットにしますよね)。
国家を自慢しても同様です。
原発をメルトダウンさせ、諫早湾干拓事業問題では罰金を支払い続け、沖縄に米軍基地を押し付け、憲法にああ書いていあるのに自称「自衛隊」を保持し活用しようとする日本国を自慢できるか、人それぞれとは思いますが、ご本人がぐうたらの怠け者だったら、日本国を立派だと思っている人ほどバカにすることでしょう。
民主党東京都連会長にして衆議院議員の松原 仁氏
民主党東京都連会長にして衆議院議員(東京3区選出)の松原 仁氏は「2012年総選挙政策」(トップページからのリンクがこれ)の中で「国家主権の確立」を謳い、“主権がしっかりと確立されて、国民に自信を与えるような振る舞いを国家はなさなければならない。”と述べています。
彼が靖国神社を参拝する理由
「国家主権の確立」によると松原氏は、「民主主義を支えようとする情熱」が高まると思って靖国神社に参拝しているそうです。
領土の確立こそが民主主義の最重要課題と思っているようです。
その最重要課題を具体的に実行したのが戦争、それに生命を捧げた人たちを哀悼すれば国家の威信が高まり、自分自身または国民の「民主主義への情熱」が高まる、という発想みたいです。
靖国神社が好きな人は、彼が参拝すれば彼に投票するから、確かに情熱は熱くなると言えます。
しかし靖国神社が嫌いな人は、彼が参拝すると、民主党も同じか、共産党に投票してもどうせ当選しない、投票行くの止めよとなり、情熱は冷めることになります。
さらに靖国神社が嫌いな人は、彼が参拝すると、民主党はこれではいかんとなって、民主党のフェイスブックに毎晩コメントしたりして「民主主義への情熱」が高まったように見えますが、もともと情熱 熱き人物なので、松原氏の参拝が熱くしたわけではない。
仮に、多くの政治家が靖国神社に参拝しないことに国民の不満が高まり、民主主義へのあきらめムードが漂っているのであれば、彼の靖国神社参拝は、国民の「民主主義への情熱」を高めることになります。
しかし現実は、靖国神社へ政治家参拝なしにではなくて、是正されない経済格差・原発再稼働に国民の不満が高まり、民主主義へのあきらめムードとなっていると思います。
現在、政治家の靖国神社参拝で鼓舞されるのは、民主主義への情熱ではなくて、靖国神社を好むような愛国心・ナショナリズムです。
彼は、分かっていない。
彼は投票率低下の原因を勘違い
「国家主権の確立」の中で松原氏は、“民主主義を支えようとする情熱、パトスは、国家が自信を持ち、そして個人がそこに情熱を捧げるに値するという威信を持つことから生み出される。”と述べています。
今回の衆議院総選挙は投票率が過去最低だったようですが、その理由は、投票しても何も変わらないという有権者の諦めです。
国家が自信喪失しているからではありません。総理大臣の安倍晋三さんは意気盛んですから。
彼は、分かっていない。
で、何やるの?
松原氏は「国家主権の確立」の中で、国家は、“;国民に自信を与えるような振る舞いを国家はなさなければならない。”と主張しています。
国民に与えるべきが、国家への自信なのか、国民一人一人の己れへの自信なのか、いまいち不明ですが、とりあえず、国家への自信と解釈しておきます。
つまり、国家は立派であらねばならない、という主張と考えます。
立派な国家を否定する人はいませんから、これならばOKという人は多いかもしれません。
立派な国家、どんな国家でしょうか?
彼は、“実にこうした国家の主権を守ろうとする行為の中に、民主主義のパトスがあるということ加えて指摘したい。 ”(ママ)と結んでいます。「こうした国家の主権を守ろうとする行為」とは尖閣諸島問題等での彼の実績のようです。
国家は松原氏がやったように、領土の確立に尽力すべき、ということなのでしょう。
確かに、うちの領土は勝手に取ってよいよと外国に言っていたら国民は、あの国家は何だよと不満を言い信用しません、確かに。
しかし、そんな国家は古今東西ありません。
ことさらにそれを強調するということは、自民党・公明党が領土確立に気乗り薄なのか、民主党政権がそうだったのか?
やり方はまずいかもしれないけれど、少なくとも自民党は、安倍晋三さんは特に、やる気 満々、なはずです。中国の軍艦が2隻、尖閣諸島沖に常時 停泊しているそうですが、(きっと)ビビッていません。
彼も、安倍晋三さんと同じようにやります、ということでしょうか。
具体的な政策の主張は「国家主権の確立」に書かれていません。
彼は、分かっていない。
ヘイトスピーチを助長しそう
松原氏は「国家主権の確立」の中で、国家は“海外との関係においても自信と誇りを持ち”、領土について“強い境界意識を持つべきである”と述べています。
国家間の緊張を高める振舞いを求めています。
政党だったり、宗教だったり、会社だったり、民族だったり、立派なそういうものの一員であることだけで自信を持ち、他者を見下したり、攻撃したり、指導しようとしたりする人は多くはなくとも、存在します。
ヘイトスピーチをする人たちも、その一種です。日本が立派であると信じ込んだ人たちが、自らがその日本のメンバーであることを過信し、他者を攻撃しています。
領土問題が存在する国々と仲良くすることを、彼が主張する「強い境界意識」は許容するでしょうか。
そんな甘ちゃんは許さないと言われそうです。
韓国や中国へのヘイトスピーチを助長しそうです。
彼は、分かっていない。
国家は怖いんだぞ~
松原氏は「国家主権の確立」の中で、国家に対して“国民に自信を与えるような振る舞いを国家はなさなければならない。”と述べています。
そういう振舞いをせねばならないと言われた国家が、国家に自信を持てない国民は許さないと振る舞うことはないでしょうか。
国内引き締めは、彼が志向する、国家の、外国への「自信と誇り」に寄与することと愚考いたします。
「民主主義への情熱」高揚に効果があると彼が言う靖国神社参拝を、国家が強制することはないでしょうか。
国家が怒ると怖いです。本気になっても怖いです。
彼は、分かっていない。
国家が強くなると民主主義が強くなる、ことはない
彼は、民主主義の価値を至上とし、国家をその手段と考えているかのように「国家主権の確立」を記述しています。
そこで、手段である国家を対外的に立派にすること(領土を確立すること、国家の強化)が正当化されるわけですが、国家が強いと民主主義が強くなるかは疑問です。
詭弁だと思います。
彼によると、ギリシア古代の政治家 ペリクレスも同じようなことを言っているので、彼にしてみたら二番煎じなのかもしれませんが、そもそも、あまり一般的でない考え方です。
ただ、一般的でないと言うと思い浮かぶのが、日本国憲法(9条)です。これを完全順守しようとすると世界でもまれな完全非武装となります。
と言うことで、彼の思いがユニークであることを根拠に非難はしません。
ただ彼の方は人間・国家への洞察(「とうさつ」を漢字変換すると「盗撮」しか出てきません、日本語を大事にしてもらいたいな)の面でユニーク、憲法9条の方は政策の面でユニークという違いがありますし、コスタリカのような前例も憲法9条にはあります。
いずれにしても、領土問題がなくなると、投票率が上がったり、情報公開請求が増えたり、立候補者が増えたり、するでしょうか。ありえません。
そういうわけで、ユニークかどうかは別として、国家が対外的に立派だと民主主義が強くなると思っているらしい彼は、人間・国家を分かっていない、とさせていただきます。
彼は、ふさわしくない
「無謬神話」などの語があります。
太平洋戦争敗戦までの日本の軍部にあてはまります。
そして現在も日本政府は「尖閣諸島に領土問題は存在しない」と述べています。
領土問題は、声高に主張すれば解決する(なくなる)ものでしょうか。
尖閣諸島について言えば、日本政府の主張を聞いていると、日本が盗んだという中国側の主張にも同意したくなります。日本は、日清戦争前後のゴタゴタに紛れて、誰のものでもなかった尖閣諸島を、国際法には則って自分のものにした、わけです。
自分が言っていることをきちんと理解し、先方と話し合いを深める、普通の態度(「大人の態度」というほどではないと思います)で臨むことが政治家は必要です。
国家主権なる語を持ち出し、「強い境界意識」を主張し、事を大袈裟にする人は、政治家にふさわしくありません。
民主党の東京都連会長にもふさわしくありません。
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