小説・センカク、3回目(こんごの居酒屋)
「オレたちを「未開人」って言ってる奴が、日本にいるらしいぜ。」
「そらホントか?どこに住んでるんだ、そいつは。」
「だから日本だって、なんでも元加治とか言う所らしいぞ。」
「あー、元加治か、オラ知ってる、あすこは電車が10分に1本来るらしいぞ。」
「そりゃスゲーな、電車、いつ来たっけ、ここは?」
「うーん、最近見てねーな。」
「だけどよ、こいつ、『差別するなり、蔑む事でしか自分を強く見せられない』って、言われてるけど、てことはよ、差別せず、蔑まなきゃ、強く見せられるってことかー?」
「『匿名希望です。』だからな、こいつの言うこともあてになんね。」
「そうだな。」
「でもよ、サップさんを見倣えばいいってことじゃねーか。」
「『匿名希望です。』の言うことだからな、サップさん見倣っても、ダメじゃねーか。」
「そーだ、そーだ。」
「ところで、電車、いつ見たっけ、ここで?」
「電車か、電車なら、三日前に、元町・中華街ゆきを見たぞ。」
「あーあ、そうだ、そうだ、走ってた。あれだろ、シブヤまで座っているけるやつな。」
「そう、そう、なんでもシブヤってところには、スクランブル交差点があって、人が四方・八方からなだれ込んでいるってーのによ、誰もぶつからねーらしいぞ。」
「そりゃ、あれだよ、ここも同じだ。」
「でもよ、シブヤってとこは、凄い数の人が歩いてるって―のによ、ぶつからねーらしーぞ。」
「ほー、それはスゲーな。」
「でもよ、日本ってよ、普通の国になるって言ってるのによ、まーだ、天皇制とかやってるらしーいぞ。」
「ホー、そーなんだ、変わってるな。」
「もしかするとあれだぞ、天皇制があるのが普通だ、お前の国にはまだねーのか、そんじゃ、おれっちの天皇制を恵んでやる、とか言ってさ、神社なんか建てちゃってさ、天皇制がない未開人のくせに洋服なんかまだ早い、とか言い出したりしねーか?」
「どーかな?」
「まああれだ、日本は遠いから、そんなに心配することネ~だし。」
「んだな、中華人民共和国もがんばってるし。」
「んだ、んだ。」
「『差別するなり、蔑む事でしか自分を強く見せられない」なんて、言われているかな?」
「まあ、あすこは、人口も多いし、広いしな。」
「ところで、『Yuko Saitoさん』って、誰だ?」
「誰だろな?」
「バックナンバーは、2006年11月からあるみたいだけどな?」
「懐かしいなー、2006年11月、まーだ、スカート履いてなかったんだな。」
「まーだ、小さかったからな。」
「んなことねーだろ、ちーさい子だって、スカート履くぞ。」
「バーか、電車のことだ。」
こんな会話がこんごで行われているころ、ナタガラとリモラは、しゃがりこサラダとキャラメルコーンを食べながら、自衛隊の活躍をテレビで見入っていた。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント